北海道小麦畑レポート
~「ハルユタカ」「きたほなみ」江別製粉株式会社~



国産小麦でパンを作る礎を作った「ハルユタカ」

改めて「ハルユタカ」について少しお話をさせていただきます。
ハルユタカが農林登録されたのは今から36年前の1985年。
ホームベーカリー機の普及も相まって、この国産小麦ならパンを作ることができると、その認知度は高まっていきました。
ハルユタカが国産小麦で作るパンの礎を作ったともいえるでしょう。
しかし「ハルユタカ」は、その生産の難しさから農家泣かせの小麦とも呼ばれ、2000年代に入り、後続品種の「春よ恋」に主役の座を譲ることになりました。
それでもなお、パン作りをされている多くの方に愛され続けているこの「ハルユタカ」を今年も新麦として皆様にお届けしたい!
その思いで、農家さんと共に日々天候とにらめっこしています。
「ハルユタカ」の生育状況についてまとめましたのでご一読いただけますと幸いです。

「ハルユタカ」の圃場

ハルユタカ 2021年6月某日

晴天に恵まれた北海道。
見渡す限り一面に広がる眩い緑色の小麦畑。
「ハルユタカ」の圃場です。

2020年11月初旬~中旬に概ね播種(一部は雪解け後の4月に播種)
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ハルユタカは名前の通り「春」に種をまく小麦です。
そんな小麦をなぜ11月の雪の降る直前にまくのか?
初冬にまくことで収穫が約1週間早まり、その結果降雨の被害を受けるリスクが低くなるからです。
(麦のかかりやすい病気の一つである赤カビ病にかかるリスクを避けるためです。)

2021年4月中旬~下旬
融雪後、曇天・降雨によって初期生育がバラついたり茎数が減少したりと影響が出ました。

2021年5月上旬~6月中旬 好天によって平年並みには回復しました。
今後迎える開花期にしっかり受粉することが今後の生育を左右するので、あとは祈るばかりです。

綺麗な穂が揃い始めました。
晴れた日の開花が待ち遠しいですね!
収穫時期は8月上旬からお盆にかけて。

お菓子から麺・パンなど使うシーンは様々。
北海道小麦の人気もの「きたほなみ」

「きたほなみ」は「ホクシン」から切り替わって生産されるようになった北海道産小麦の主力品種です。
収穫量が多く、色や性質さらに食感も優れているため、お菓子から麺、パンにもご使用いただけます。
皆様の「きたほなみ」と聞いて連想する小麦粉は何でしょうか?
菓子用小麦粉として人気の「ドルチェ」や「クーヘン」だと嬉しい限りです。
「ドルチェ」は、しっとりとした食感と小麦本来の味わいを感じていただける粉で、スポンジケーキやシフォンケーキ作りなどに最適です。
「クーヘン」は、小麦の味や香りがストレートに伝わるバターケーキや、マフィンなどの焼き菓子作りに最適です。
また「きたほなみ」は強力粉のブレンド相手として様々な銘柄の小麦粉に使われています。
昨年の秋よりの「きたほなみ」の生育状況についてまとめましたので「ハルユタカ」同様にご一読いただけますと幸いです。

「きたほなみ」の圃場

きたほなみ 2021年6月某日

目に映る景色は眩いくらいの麦の緑色と淡い空の色。
秋まき小麦の代表格「きたほなみ」の圃場に行ってまいりました。

2020年の秋に播種
天候にも恵まれ概ね順調に播種が進みました。

冬季間
積雪量も一部の地域を除いて平年よりも少なかったことで春先の融雪が早く、生育も順調でした。
4月中旬~下旬、降水量が多く不安があったものの、5月上旬~中旬に天候が回復し、その後の生育も順調に推移しました。

6月、天候の移り変わりが激しく、全道的には日照時間や平均気温が平年以上でありながら、地域によって降水量が多くなっています。
開花期に降雨に晒され受粉に影響が出ていないかが懸念されるところです。
地域差はあるものの概ね順調な生育となっています。

開花も終わり、後は成熟するのを待つばかりです。
収穫時期は、7月20日過ぎから月末にかけて。

      

江別製粉株式会社

こちらもご覧ください!
北海道小麦畑レポート

こちらもオススメ♪

SNS